» 銀行が決める「貸出し限度額」について
銀行が決める融資額。いったい何を基準にして決まっているのか気になりますよね。ここでは、融資の審査のポイントをざっくりと解説していきます。
1.自己資金の額
まずは、自己資金。ご自身がどれだけの貯蓄を持っているのかが、貸出し限度額のポイントとなります。もちろん、自己資金が多ければ多いほど、その条件もいいものとなってきます。最近では、諸費用資金として150万円から350万円程を用意できているかどうかを、ポイントとして見る銀行も多くなってきました。
もしも、自己資金なし(頭金なし)での住宅購入をお考えであれば、そのような取引を得意としている銀行をお探しするのが得策でしょう。
2.年収
年収も、銀行が決める貸出し限度額に大きくかかわってくる項目です。銀行によって若干の違いはありますが、概ね400万円が年収のボーダーラインとなっているようです。年収に占める住宅ローン返済額の比率を30~40%程に設定している銀行が多いようですが、400万円を境にその比率が上がってきます。
この比率が上がれば上がるほど、融資の上限金が上がってくるというわけです。ちなみに、フラット35では、400万円未満の方が30%、400万円以上の方は35%という基準が公開されています。
3.勤務先の規模
上限金は、勤務先の規模によっても変わってきます。銀行によっては、会社の資本金が1億円以上あるか、5億円以上あるかなどの規定を設けていたり、その会社が上場企業なのか、非上場企業なのかというところでも融資限度額が変わってきたりすることもあります。
銀行にとって、できるだけ貸出しリスクを減らしたいと考えれば当然と言えば当然です。そのため、やはり社会的信用度の高い公務員と、安定性の低い自営業や自由業とでは、その貸出し限度額に大きく差が出てしまうこともあります。
4.審査金利
現在金利は、某大手銀行の店頭金利で、変動金利型2.475%ほどとなっていますが、住宅ローン審査の段階では、多くの銀行がこの金利を4%として計算しています。つまり、実際に借入する時よりも厳しい目で判断されるというわけです。
フラット35では、フラット35で貸し出す金融機関の金利がその審査金利となるため、他の大手銀行よりは、審査規定上多くの金額を借り入れできるという計算になります。
5.担保
これは、借入するときに何かを担保にするというわけではなく、その貸出しを行う物件が、将来的に担保として価値があるかということです。
利便性の高い物件は、そうでない物件と比べて“担保力”が高いと判断され、その融資額も大きく左右されるのです。この担保力の違いにより、大きくて50%程の差が出てきてしまうこともあるので、この点にも注意が必要といえます。
6.その他
その他にも、銀行によって様々な審査基準があり、農協などの組合員であるかどうかや、その銀行が住宅ローンの融資残高を上げたいという考えから、審査条件を緩和するなど、様々な条件が合わさって、その貸出し限度額が変わってきます。
審査のポイントは銀行によって様々!
以上、「貸出し限度額」を決める大きなポイントとして紹介してきましたが、これはあくまでも一般的なものにしかすぎません。銀行によってそれぞれ特色があり、どのポイントを重視するのかも、その銀行によって変わってきます。「貸出し限度額」を多く出したい場合は、ご自身の条件にぴったり合った銀行をチョイスすることが必要となってくるのです。